前回の記事
で
漏電リレー試験の際に、
試験用ショートクリップ内のはんだが浮いてて
導通不良があったことを書きました。
以前のエヌエフ試験器なら
電流端子を開放で出力オンにすると
0Aの状態でも出力オーバーエラーが出て
出力が停止していましたが、
電圧2相電流2相保護リレー試験器 RX47022 – 電力用試験器 – 保護リレー試験器 – エヌエフ回路設計ブロック (nfcorp.co.jp)では、
接触不良による電流回路オープンで
実際には流れていないにもかかわらず
出力状態で電流値を上げることが
できてしまいました。
実際、端子開放で
どのくらいまで電流値があげられるのかを
電圧単相電流単相保護リレー試験器 RX4717 / RX4717K – 電力用試験器 – 保護リレー試験器 – エヌエフ回路設計ブロック (nfcorp.co.jp)との比較も踏まえて
検証してみました。
RX4717で電流出力端子開放で
0A設定で出力オンにしたところ、
0.4A、4A、20Aレンジすべて
オーバが点灯し出力がオフになります。
いっぽうRX47022での
電流端子開放での出力オンは、
- (微小電流出力)20mA I2レンジ 0.01mAでオーバ表示
- (微小電流出力)300mA I2レンジ 0mAでオーバ表示
- 3A I1レンジ 0.0100Aでオーバ表示 0.0099Aまでは上がる
- 31A I2レンジ 0.100Aでオーバ表示 0.099Aまでは上がる
- 31A I1レンジ 0.081Aでオーバ表示 0.080Aまでは上がる
- S31A I1-I2レンジ 0.142Aでオーバ表示 0.141Aまでは上がる
- 62A I2レンジ 0.161Aでオーバ表示 0.160Aまで上がる
- 62A I1レンジ 0.190Aでオーバ表示 0.189Aまでは上がる
実際の動きはこちら↓
RX47022で3A~62AレンジでmAクラスの電流試験をおこなおうとすると、断線で電流が流れなくてもある程度まではオーバーエラーが出ないので、表示上電流値を上げる事が出来てしまいます。試験時に動作値が怪しいときは試験配線の断線確認を行うことが必要です。
~追記~
よく考えたら、3Aレンジであれば回路開放10mAでオーバになるので、使用レンジを直近上位で使えばいいだけだ、と気が付きました。ですのでついでに、試験設定メモリに”ELR”という名前を作って”3A I1″のレンジになるように登録しておきました。
~さらに後日~
東京電気管理技術者協会の講習会で
製品展示に来ていた
エヌエフの社員さんと
この件に関して話をしまして、
後日、回答をいただきました。
RX47022は内部の仕組み上、そのことに関しては変えられません。もし回路オープンでオーバにするには大幅な内部の変更が必要になります。
だそうです。
ですので、出力に疑いがあるときは
やはり自己チェックで
対応するしかありません。
コメント
コメント一覧 (2件)
いつも楽しく拝見しております。
私も先日、RPRの試験時に動作電流値がおかしく調べましたら、試験コードのハンダ付けしたところが取れかかっていました。
(別の試験器で試したところ、電流が流れなかったのでコード不良が判明しました)
今回の記事で、結線間違いが無いことを前提とし、判定値ハズレした際に優先して確認するべきことであると感じました。
RX47022も細かな仕様はまだまだ出てきそうですね。
めたぼんさん>
コメントありがとうございます。
1年越しの発見でした。
十分問題はなく使えているので
重大な気付きは今後でないと思います。