雨の日ばかりだった2026年9月のとある日、
自社太陽光発電所数か所兼任している
主任技術者から、



パワーヒューズが切れて、VCBもトリップした。一人ではどうにもならないので手を貸してほしい。
という連絡を受けました。
うちは以前から
こちらの設備の年次点検を請け負っており、
重塩害地域のため
天井換気扇から塩分を含んだ水分が侵入し、
LBSが腐食していることを把握していました。
今回も原因はそこだろうと見込んで
手直し用の材料を用意し、
日時を合わせて2名で対応してきました。


調査前、現状把握


事前に状況確認が行われており、
パワーヒューズはすでに外されていました。


案の定、LBSの腐食が進行しています。


パワーヒューズ側面は
焦げたような色になっていました


このLBSで相間短絡を起こしたと思うのですが、
明確な短絡痕は見当たりません。
しかし、
微かに金属が溶けて弾けたような跡があったため、
アークが空中でつながったのではないかと
考えられます。
設備の調査
絶縁抵抗測定


VCBとLBSをすべて開いて
各所の絶縁抵抗測定を実施しました。
0.05MΩや0.1MΩ程度しか出ませんでしたが、
9月の長雨で
潮風が塩水になり続けている環境を考えれば
想定内の絶縁抵抗値です。
重塩害地域の高湿度環境では、
0MΩでないだけマシだと思います
変圧器内部の確認



トランスの中は大丈夫だろうか?
と心配されていたため、


変圧器の内部を目視で確認しましたが、
問題はなさそうでした。


相間のインダクタンスを測れば
レアショートが起こってないかの指針になるかと考え、
各相をLCRメータで測って測定値を確認、
極端に違う数値は出なかったので
きっと大丈夫だろうと判断しました。
仮復旧作業
LBSを撤去してしまえば
仮復旧できると考えていたので、
ちょうどほかで使うように保管してあった
KIPと圧着端子を手直し材料として
持参していました。


LBSを1台外してから
KIPを端子加工したもので


母線を変圧器へ直結にしました。
PASとVCBがあるので
しばらくこれで行けるだろうと
この状態で受電したのですが、
キュービクル内から
チリチリチリチリ・・・・
とトラッキング音が鳴り続けていて、
ぱんっ!
という音も鳴り地絡したか!?、と思いましたが
PASは落ちませんでした。
このキュービクルは
- パワコン500kW用 3φ500kVA変圧器 1台
- パワコン小屋空調用 3φ20kVA変圧器 1台
- 電灯制御回路用 1φ10kVA変圧器 1台
の構成なので、
先に撤去したLBS以外に
もう2台LBSがあり、
こちらもダメなようでした。
ですので、


結局、
LBS3台すべて直結処理を行い
(所内一括0.05→0.1MΩには復活した)
再受電した結果、
トラッキング音が消えました。
支持物がないので若干KIPがふらつきますが、
腐ったLBSでチリチリ言っているより
数倍安心な気がします。
改善提案
以前からダメなのはわかっていて
ずっと言い続けている改善提案があります。
- 天井換気扇は撤去し完全に塞ぐ。
- 側面換気扇を導入する。
- その後にLBSを新調する。
太陽光発電所は
晴れの日さえ続けば
数日で工事費は稼いでくれると思うのですが
まったく改善される様子がないです。
今後またVCBやPASが切れた、なんて言われたら
もううちは手を引いてもいいのではと考えています。


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