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つくばの"すーさん"
電気管理技術者
つくば電気管理事務所です。
茨城県つくば市を拠点に
自家用電気工作物(高圧電気需要家)の
外部委託電気保安管理業務
および各種測定等試験業務を
おこなっております。

このブログでは
電気管理技術者(電気主任技術者)として
自家用電気工作物の
実務に関することや
各種業務で経験したことを
随時掲載しています。

G法は万能じゃないという学び(高圧ケーブル直流劣化診断)

天候の悪い中、

お手伝いで

高圧ケーブルの劣化試験に

参加しました。

今回は

診断結果と状況に振り回されて

焦りを感じながら

考えては動き回ってと

バタバタした試験になったので、

写真を撮っている心の余裕が

全くありませんでした。

文章だけで伝えられる自信はありませんが

記録と教訓として書いておきます。

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天候は雨、

測定範囲は

特高受電所の屋外6kV饋電盤から

出先の屋外キュービクルまでのケーブル

(CVT100sq2009年製、架空、200mない程度)

3相個別に5kV,10kVで

それぞれ10分間記録をとる仕様でした。

饋電盤側は離線済み、

出先の

ケーブル末端とキュービクル側との接続は

ボルトナット閉めで

エフコとビニテが巻かれていて

外すのが困難でしたので

接続されたまま

DS一次側までかかる状態。

上記の状態で

シールドアース500Vメガで>100MΩ、

1000Vメガで1MΩ、

5000VメガDI-05Nにて

G法測定値5000MΩ程度。

全体の絶縁は悪いですが

シールドの絶縁は>100MΩ以上あるので

接続状態でも

G法で劣化診断をおこなえば

ケーブルのみの測定ができるはずと判断。

0~5kVまで上げていって異常ないことを

確認してから

G法5kVの測定を開始しました。

試験器から

聞いたことない音が出てきたなと思ったら

漏れ電流グラフが荒れていきました。

なんだか試験器が悪いのではと

試験器直流電源を外部から入れてみたり

試験器を変えてみたり、

ケーブルヘッド清掃し直してみたり

違う相の試験をおこなってみたりしましたが

結果が改善されません。

あと気になったのが、

試験器の出力を止めた際

通常、放電するまで充電電圧は

すぐに下がらないはずが

即放電をかけたような

電圧の下がり方をしていました。

15年程度経過の架空ケーブルじゃ

そんなに悪くならない気がするし、

あと考えうることは

出先のキュービクル引込につながっている

KIPと支持物(クリート)とDS

(ケーブル以外70年代)ですが

G法ならばキャンセルできているはず、と

半信半疑でした。

でももしかするので

電工さんにお願いして

エフコはがしてボルトナット外してもらって

ケーブル単体E法にて再測定。

途端に漏洩電流は0.05μA以下で

グラフもきれいに表示され

5kV印加につづき

10kV印加でも各相良好な結果となりました。

予定より時間が掛かってしまいましたが

暗くなる前に

良好な結果を出すことができて、

我々他元受け、設置者一同

みんなで安心しあいました。

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現地ではバタバタで

どうしてG法なのにダメだったかを

考える余力はありませんでしたが、

自宅に帰ってからひらめきました。

絶縁抵抗の低い絶縁物が

つながったままでのG法測定では、

健全なケーブルに流れる漏洩電流は

問題ないはずですが

その他機器の絶縁が悪いせいで

試験器容量が足らないほどの

全体の

漏れ電流が断続的に発生し、

印加電圧が下がったり上がったりしたせいで

ケーブルの漏洩電流も

充電放電を繰り返す状態になったのではと

推測します。

G法で測定すれば

何がつながっていても

大丈夫、なんて思いこんでいましたが

今回のことで考えを改めました。

ケーブルの劣化診断G法での教訓

全体の絶縁が低い場合、G法でも正しい測定結果を得られない場合があるのでケーブルは離線して測定する必要がある。

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