
年次点検の停電作業中、お客様から「あれ?電話が使えなくなってる!」と焦った様子で声をかけられた経験はありませんか?
「非常用発電機もあるし、電話の交換機(PBX)にはバッテリーが入っているから大丈夫」と思い込んでいたら、思わぬ落とし穴にハマりました。
今回は、年次点検などの全停電時に**「なぜ電話が使えなくなるのか」、そして電気管理技術者として「事前にどう案内・対策しておくべきか」**について、通信機器の仕組みから紐解いて解説します。
先日の年次点検でのことです。

自分ここの電話交換機はバッテリーが入っているタイプなので、商用停電と非常用発電機が止まってもしばらくは電話使えると思ったのですが、つながらなかったとお客様から言われました。まだ1年しか経っていないバッテリー入りのPBXなのにそんなことありますか?
作業をお願いした若手技術者に相談したら的確な答えをいただけました。



なぜ停電で使えなくなるのか?
PBX(構内交換機)自体は、内部にバッテリーを持っているか専用のUPSに繋がれていることが多いため、停電しても数時間は「内線通話」が生きていることがあります。
しかし、近年光電話なのでその手前にあるONUやTAは、一般的な壁のコンセント(AC100V)からACアダプタで電源を取っているケースが非常に多いです。 そのため、年次点検で受電用遮断器を開放するとTAの電源が落ちてしまい、PBXが動いていても「外線(外部との通話)」が完全に遮断されてしまいます。
[生成AI Geminiに書いてもらいましたがおおむねこれと同じことを言っていました。さすがです]



なるほど!という事は非常用発電機ありきのシステムなんですね!しっくりきました!


電話回線のつながり方と停電時の弱点
近年の一般的な事業所の光電話は、以下のような順番で繋がっています。


- 光ファイバー(外部からの引き込み)
- ONU(回線終端装置):光信号をデジタル信号に変換します。
- TA(ターミナルアダプタ):デジタル信号をアナログの電話信号に変換します。
- MDF(主配線盤):外部からの回線と、施設内の配線をまとめて接続する「端子台」の集まりです。ただの配線盤なので電源は不要です。
- PBX(構内交換機):内線同士をつないだり、外線の着信を各電話機に振り分ける「電話の脳みそ」です。
現場でトラブルを防ぐための3つの対策
この通信トラブルを防ぐため、点検前の打ち合わせで以下の対応を徹底することが重要です。
- 【要注意】復電後のフリーズ対策 停電作業が終わって復電した際、ルーターやTAがうまく立ち上がらず、ネットワークが迷子になって電話やネットが復旧しない「復電時の罠」がよく起こります。 お客様には事前に「復電後、もしネットや電話が繋がらない場合は、ルーターやTAのコンセントを一度抜いて、数分後に挿し直す(再起動)をお願いします」と伝えておくと、事後のクレームを劇的に減らすことができます。
2. 徹底した事前周知(これに尽きる!) 「停電中は、電話(外線)とインターネットが完全にストップします」と、施設側にしっかりとアナウンスし、社内外への周知をお願いしましょう。
3. どうしても通話が必要な場合のUPS提案 「停電中も外部との連絡手段を確保したい」という要望がある場合は、ONUとTA専用の小型UPS(無停電電源装置)の導入を提案します。ルーター周りの電源をUPSでバックアップするだけで、数時間の停電なら外線を維持できます。
まとめ
電気設備の点検だからといって、電気だけを見ていれば良いわけではありません。 それに付随してダウンする通信インフラの影響まで想像し、お客様に的確なアドバイスができると、電気管理技術者としての信頼度がグッと上がります。
次回の年次点検の事前打ち合わせでは、ぜひ「光電話のTAの電源」にも着目してみてください!



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