リレージャッジメントの計算機能に関して、



「日新電機製の比率差動継電器(D1UAH-62)で比率特性の計算値が間違っている」
とのご指摘をいただきました。
内容を確認したところ、
確かに計算式に誤りがありましたので
修正いたしました。
ご指摘いただきありがとうございます。




原因は、先に作成していた
「三菱電機製 ディジタル形保護継電器(CAC1-A01D2形)」の
比率差動計算をベースに流用したせいでした。
三菱電機の「最大値抑制方式」と、
日新電機の「流出電流基準方式」の
違いがありました。
それぞれの仕様の違いについて、
備忘録を兼ねて整理します。
1. 三菱電機:最大値抑制方式(CAC1-A01D2)


三菱電機では比率特性の導出方法として最大値抑制方式を採用しております。従って、差動電流と最大流入電流の比をとって比率を表現しております。
MITSUBISHI
三菱ディジタル形保護継電器
MELPROTM-DASHシリーズ
CAC1-A01D2形 変圧器保護用比率差動継電器
取扱い説明書P.12より引用
IDIF:差動電流
比率 = ―――――――――――――――――
IRES:抑制電流
|I1(一次電流:流入電流:動作電流)
-I2(二次電流:流出電流:抑制電流)|
= ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
I1、I2の大きい方
三菱電機は、差動電流と、「I1:流入電流またはI2:流出電流の大きい方」の比をとって比率を表現します。
取扱説明書にある試験条件は、
I1 > I2 で行うことになっているため、
実際の計算式は以下のようになります。
|I1 - I2|
比率 = ―――――――――――――――
I1
2. 日新電機:流出電流基準方式(D1UAH-62)


日新電機の比率は、二次側よりも一次側電流が大きく、一次・二次が同一整定値の場合、以下の式で表されます。
U形ディジタルリレー
比率差動継電器
取扱説明書P.22より引用
IDIF:差動電流
比率(I1>I2) = ―――――――――――――――――
I2:流出電流
|I1(一次電流:流入電流:動作電流)
-I2(二次電流:流出電流:抑制電流)|
= ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
I2(二次電流:流出電流:抑制電流)
日新は流出電流(抑制電流)に対する差動電流の比を「比率」としています。
そのため、(I1>I2)の条件で試験した場合、実際の計算式は以下のようになります。
三菱と計算式の「分母」が異なるのです。
|I1 - I2|
比率 = ―――――――――――――――
I2
3. 具体的にどう間違えていたか
I1=I2=最小タップ(2.9A)にて、流出側(I2:抑制電流)= タップの500% (14.50A) を印加し、流入側(I1動作電流) を増加させて測定(I1が抑制電流の時のI2動作電流と、I2抑制電流の時のI1動作電流をそれぞれ測定し比率算出する)
【参考:87TD 比率整定 [%]35%の場合、流入側(動作電流)は19.58Aで35.0%となるのが正解です。】
❌ 誤っていた計算(三菱電機の計算式を適用:大きい方で割る)
|I1(動作電流19.58A)-I2(抑制電流14.50A)|
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― × 100 = 26.0%
I1(動作電流19.58A)
⭕ 正しい計算(日新電機の計算式を適用:抑制電流で割る)
|I1(動作電流19.58A)-I2(抑制電流14.50A)|
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― × 100 = 35.0%
I2(抑制電流14.50A)
この違いを取説比較して読み取るまでに、
だいぶ時間がかかってしまいました。
試験業務に携わっている身として、
自分の知識の甘さが露呈してしまい
恥ずかしい限りです……。
ご指摘やフィードバックを歓迎いたします
最近は、
AIエージェントの「Cursor」に
取扱説明書の資料を読み込ませて、
各機種の計算ツールを自動作成させています。
しかし、短期間で数を多く作っていると、
自分一人では
ロジックが本当に正しいかどうかの判断が
追いつかない場合があります。
より正確で精度の高いものにしていきたいと
考えております。
もしツールや計算結果に
お気づきの点がございましたら、
ブログのコメント欄やお問い合わせフォームより、
ぜひお気軽にご意見をお寄せいただけますと
幸いです。
(返答に時間を要する場合があります)
こういった書籍を読むことで、
AIにチャットだけではなく
データを生成して仕事をしてもらうということが
わかっていただけるかと思います。




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