リレージャッジメントに掲載している
オムロン製OCR【K2OC】について、



限時動作時間の動作範囲がカタログにある動作時間一覧表(参考)」の数値と違う
とのご指摘をいただきました。




整定ダイヤル10以外の数値に、
各動作電流倍率の整定ダイヤル10における±%を
そのまま適用していたことが原因でした。
これまであまり考えていなかった、
整定ダイヤル10以外の限時動作時間管理値について考察しました。
考察内容
契約需要家様での試験はどうしているか
標準ではなくうちの場合です。
竣工検査の際は、
レバー10と整定レバーの両方で試験を行います。
(「ダイヤル◯◯」と呼ぶべきなのでしょうが、昔の名残で「レバー◯◯」と言ってしまいます)
まず公称値として
ダイヤル10で限時動作時間管理値(±%)の
良否判定を行い、
整定ダイヤルでの動作時間は
それに準じたものであれば、
総合で“良”とします。
そして、
以降の年次点検では整定ダイヤルでのみ試験を行い、
前回動作時間と乖離がなければ“良”にしています。
これがこれまでD≧9の管理値±%を
考えてこなかった理由です。
AI(Gemini)に聞いてみた
- ① ディジタル形(電子式)の場合:比例計算でOK
-
現在のデジタル形OCRはマイクロプロセッサで演算処理しているため、
ダイヤルを小さくしても時間のばらつきが大きくなることは基本的にありません。 - ② 誘導形(円盤が回る旧式)や静止形の一部の場合:「ダイヤル10の秒数誤差」をそのまま適用する
-
昔ながらの誘導形(円盤式)や初期の静止形アナログ継電器は、ダイヤルを小さくする(=可動部のストロークを短くする、または回路の定数を変える)と、慣性や摩擦、内部素子のバラつきの影響を強く受けるため、パーセンテージ(%)での管理を適用すると基準が厳しくなりすぎてしまいます。
これらについては、JEM規格(日本電機工業会標準)の考え方に基づき、「ダイヤル10における許容誤差(秒数)を、そのまま他のダイヤルにも適用する」という方法(固定秒数誤差)が推奨されています。
どの機種がディジタル形か静止形の一部なのかの判断がいまいちわかりませんが、
これらの意見から独自の方針を決めました。
ダイヤル10以外の限時動作時間管理値の自己結論
一般的なJIS規格準拠の過電流継電器には、
「ダイヤル10における許容誤差(秒数)をそのまま他のダイヤルにも適用する」
という方法(固定秒数誤差)
を一律適用することとし、
リレージャッジメントに反映させました。
規格や取扱説明書で、
公称値と特性試験点と言われているもの以外は
すべて参考値であり、
試験結果が参考に定めた管理値を
わずかに外した程度では、
不良と判断する材料にはしません。
※JIS規格に準拠した過電流継電器の限時動作時間は、
ダイヤル10で電流倍率300%および700%の公称値以外はほとんどが参考値扱いです。
参考文献
- JEM-TR 156「保護継電器の保守・点検指針」(日本電機工業会 技術報告)
- JEC-2510-1989_過電流継電器
- JIS C 4602:2017「高圧受電用過電流継電器」
- 三菱電機株式会社: (MOC-A形など)の取扱説明書
- オムロン株式会社: デジタル形過電流継電器(K2CA形など)のカタログ・取扱説明書




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